皆さんは“quite”という単語を使ったことはありますか?
“quite”は「非常に、すっかり、完全に、まったく」などの意味を持つ単語なのに対して、“very”は「非常に、とても」という意味を持ち英会話でも頻繁に使われますね。
※“quiet”「静かな」と見た目が似ていますが、意味は全然違います。
目次
「very」と「quite」はアメリカ英語とイギリス英語でニュアンスが違う
これから学習する“quite”という単語は、アメリカ英語を話す人にとっては、「あー!イギリス英語だなぁ!」と思ってしまう単語です。
私もアメリカで生活する中で“quite”を会話の中で聞くことはありますが、頻繁に会話の中で使われているというイメージはありません。
なんとアメリカ英語とイギリス英語で“quite”の意味さえも違ってきます。
同じ英語という言語でも、話す場所や文化によって単語の意味が変わってくるなんて、とてもおもしろいですね!
この記事では、アメリカ英語の説明には☆米、イギリス英語の説明には☆英、というマークを付けています。
1. アメリカで使われる“very”と“quite” ☆米
I am very good at playing the piano.
「私はピアノを弾くことが非常に上手です。」
He is very rich.
「彼はとても裕福です。」
このように、アメリカ英語では主にvery=quite「非常に、とても」として使われます。
2. イギリス英語で使われる“very”と“quite” ☆英
「私はとても疲れています。」
イギリス英語の“very”は、アメリカ英語と同じように「非常に、とても」を意味します。
アメリカ英語では“very”を“quite”に置き換えることができましたが、イギリス英語ではどうでしょうか。
「私はまぁまぁ疲れています。」
なんと、イギリス英語で“quite”は「まぁまぁ」という意味になり、アメリカ英語の「非常に、とても」と比べるとまったく違う意味になりますね!
いくつか例文を使ってアメリカ英語とイギリス英語を比較してみましょう。
What did you think about today’s lunch?
「今日のお昼ご飯どうだった?」
It was quite good.
「とても美味しかったよ。」
What did you think about today’s lunch?
「今日のお昼ご飯どうだった?」
It was quite good.
「まぁまぁだったな。」
Oh look! It’s Alice! Isn’t she a cutie?
「見て!アリスだ!アリスって可愛いよね。」
She is quite beautiful.
「とても美人だね。」
Oh look! It’s Alice! Isn’t she a cutie?
「見て!アリスだ!アリスって可愛いよね。」
She is quite beautiful.
「まぁまぁ美人だね。」
3. 「完全に」を意味するquite ☆英☆米
「私はまだ完全には準備はできていません。」
He is quite sure that you are the one.
「彼はあなたが運命の人だと完全に確信しています。」
“quite”には「完全に」という意味もあります。
これは、アメリカ英語でもイギリス英語でも同じ様に使われます。
4. イギリス英語“quite”・意味の見分け方 ☆英
イギリス英語の“quite”には「まぁまぁ」と「完全に」という意味があると学習しましたが、では以下の文はどのように日本語に訳すことができるでしょうか?
a. 私は昨日まぁまぁ疲れ切っていました。
b. 私は昨日完全に疲れ切っていました。
quite+程度の幅がある単語=まぁまぁ
quite+白黒はっきりした単語=完全に
程度の幅がある単語とは、「良い」「とても良い」など、その単語の程度を付け足すことができる単語のことを言います。
- Good 良い
- Bad 悪い
- Tired 疲れた
- Hot あつい
- Cold 冷たい
白黒はっきりした単語とは、「疲れ切った」のように100%の状態を表す単語のことを言います。
- Exhausted 疲れ切った
- Fantastic すばらしい
- Perfect 完全な
- Married 結婚している
- Correct 正しい
さて、正解はわかりましたか?
“exhausted”が白黒はっきりした単語なので、bの「私は昨日完全に疲れ切っていました。」が正解ですね。
5. イギリス英語quite「なかなか」を意味するquite+a/an 形容詞 ☆英
「それはなかなかの成功だった。」
My husband is quite a handsome guy.
「私の夫はなかなかのハンサムだ。」
イギリス英語“quite”のすぐ後ろにa/anが見えたら、それは「なかなか」という意味を表します。
6. イギリス英語quite・「まさに」「同感です、賛成です」 ☆英
「アメリカ英語とイギリス英語は異なります。」
Quite!
「同感です!」
イギリス英語のquiteには、このように「まさに」や「賛成です」という意味もあります。
アメリカに住む私は一度も耳にしたことがありませんが、いつかイギリス英語を話す友達ができたら、是非使いたいです。
気を付けたい“quite”の表現 ☆英☆米
“quite”に数や量を表す言葉がくっつくと、
「私は昨晩、宿題がかなりあったから図書館で勉強することに決めました。」
Surprisingly, quite a few people were studying in the library until midnight.
「驚いたことに、夜中になるまでたくさんの人が図書館で勉強していました。」
I thought I already knew quite a little about mathematics.
「私はすでに数学についてたくさん知っていると思いました。」
“very”と“quite”の違い見てみると、アメリカ英語ではvery=quiteであるけれど、イギリス英語では“very”と“quite”は全く別物だという事がわかりました。
アメリカ英語とイギリス英語、同じ英語という言語なのに発音やスペル、単語の意味や使われ方まで異なる場合もあるのですね!
余談ですが、思い返してみると子供の頃に通っていた英語教室も学校の教科書も、全てアメリカ英語だったような…気がするのは私だけでしょうか。
私は長らくの間「アメリカ英語は綺麗な英語!」という固定観念で過ごしてきました。
しかしいざアメリカに住むと本当に様々なアクセントを持った英語を聞きます。
きっと本当は「綺麗な英語」なんて存在しなかったのかな、と肩の荷がおりたような気持ちになりました。