“No problem”と“No matter”、それぞれがどんな場面で使われるのか知っていますか?
私のように、学校で「problem」も「matter」も「問題」という意味ですよ、と教わった人も多いのではないでしょうか。
今回は“no problem”と“no matter”の違いを学習します。
No problem:ポジティブな否定
No matter:既存の問題を否定
目次
ポジティブな場面で使わる「No problem」
皆さんは、“Thank you.”と言われたら何と答えますか?
“You’re welcome. 「どういたしまして。」”というフレーズが真っ先に頭に浮かんだでしょうか。
もちろん、日常会話でThank you. /You’re welcome. という会話を聞くこともあります。
しかし!“You’re welcome.”の代わりに、“No problem.「問題ないです。」”が使われることも多くあるのです。
このように“no problem. ”はポジティブな場面で使われます。
場面1
友達:Thank you for watching my baby.
「私の赤ちゃんを見ていてくれてありがとう。」
私:No problem!
「大丈夫だよ!」
場面2
私:Can I pay with my credit card?
「クレジットカードで支払えますか。」
店員さん:No problem.
「大丈夫ですよ。」
場面3
私:I am sorry that my son made a mess.
「ごめんなさい、息子が散らかしてしまって。」
友達:No problem! My kids are also very messy eater.
「問題ないよ!私の子供たちもぐちゃぐちゃにして食べるから。」
私のミレニアム世代の友達に聞くと、“You are welcome.”の代わりに“No problem.”と答えるのは比較的新しい若者文化だそうです!
既存の問題を否定する時に使われる「no matter」
1. It does not matter.
“no matter”を使った表現で日常会話でも良く使われるのが“It does not matter.”というフレーズです。
“It does not matter.”も「問題ない」という意味ではありますが、ポジティブな意味ではなく「怒っていない、気にしていない」などと、既存の問題を否定する時に使われます。
場面1
I missed the train!
「電車に乗り遅れてしまった!」
Don’t worry. It doesn’t matter.
「心配しないで。気にしないから。」
場面2
Should I go back to work and put my baby in a daycare?
「仕事に復帰して子供を保育園に預けた方がいいかしら。」
It doesn’t matter what other people think. The most important thing is what do you want to do.
「他人がどう思うかなんて関係ないよ。一番大切な事は、君が何をしたいかだよ。」
場面3
Do you want Coke or Pepsi?
「コーラかペプシ、どっちがいい。」
It doesn’t matter.
「どっちでもいいよ。」
2. No matter~
no matterを使ったもう一つの表現に「たとえ~」を意味するNo matter how/what/whoなどがあります。
場面1
I don’t think I will pass the exam.
「その試験に合格できない気がする。」
No matter how many times you fail, you should never give up.
「たとえ何度失敗しようとも、諦めるべきではないよ。」
場面2
No matter what you say, it is obvious that you ate the cake that I was saving.
「たとえあなたが何を言おうとも、あなたが私が大切に残しておいたケーキを食べたことは明らかよ。」
I knew you would find out.
「君に見つかると思っていたよ。」
場面3
Don’t answer the door no matter who comes.
「たとえ誰が来てもドアを開けたらだめだよ」
Ok, mom!
「わかったよ、ママ!」
まとめ
No problem.
「問題ないよ。」「大丈夫。」→ポジティブなイメージ
It doesn’t matter.
「気にしていないよ。」「関係ないよ。」「どちらでもいいよ。」→今ある問題点を否定するイメージ
No matter how/what/who
「たとえ~」
☆豆知識☆
気を付けたい “I don’t care.” と “It doesn’t matter.”
あなたがアメリカでホームステイをしており、ホストファミリーがあなたをご飯に連れて行ってくれるとしましょう。
このような時、もしあなたが「どちらでも構いません。」と伝えたければ、a b のどちらが相応しい英語表現でしょうか?
ホストファミリー:Which one sound good to you, Chinese or pizza?
中華料理かピザ、どちらがいいかな。
a: I don’t care.
「私は気にしません。」
b: It doesn’t matter.
「気にしません。」
aもbも〈気にしない〉という趣旨の日本語訳になりますが、この場合ではbが正解です。
まずはaを見てみましょう。
“I don’t care. 「私は気にしません。」”を日本語で聞くと丁寧な表現にも聞こえますが、実は英語で“I don’t care.”は失礼に聞こえる場合もあります。
I don’t care. = 私は気にしない=私はその事に興味がない、という風に聞こえてしまうのです。
せっかくご飯に連れて行ってもらう、その張本人が「中華料理かピザか、なんてそんな話は私は興味がありません。」と言ったら、とても失礼ですよね。
一方でbの“It doesn’t matter.”は上でも述べたように、既存の問題を否定しています。
「中華料理かピザか、という問題は全く気にすることではありません。」という意味になりますね。
つまり、食事に連れて行ってくださるだけで嬉しいので何料理かなどは問題ではない=「どちらでも構いません。」という気持ちを伝えることができます。