英語の“mirror”と“reflect”は日本語に訳すと、「映す」や「反射する」となりほぼ同じような意味になってしまいますが、両者には明確なニュアンスの違いが存在します。

この記事は日本人の感覚を交えながら“mirror”と“reflect”の違いを見ていきます。

mirror:正確に映し出す、酷似している
reflect:反射する、歪んでいてもOK

mirror「~を正確に映し出す」「~に酷似している」

“mirror”と言えば私たち日本人は一般的に名詞として使う「鏡」をイメージすると思うのですが、動詞で使う場合にも人や物を映し出すことはなんとなく想像できると思います。

ただし、“mirror”の場合は映し出された人や物が元の人や物とほぼ同じように(正確に)映し出される必要があります。

映し出された人や物が歪んでいたり、色が違っているなど異なる状態で映しだされた場合には“mirror”ではなく“reflect”になります。

例えば鏡に自分の姿を映し出す時や水やガラスに自分の姿を映し出す時も自分の姿とまるっきり同じ状態で映しだされていれば“mirror”を使って文を作ることができます。

The water surface mirrored my friend and me.
「水面が私の友人と私を映し出していました。」
The glass in the art museum mirrored me.
「その美術館のガラスは私を映し出しました。」

“mirror”は視覚的に映しだされたもの以外にも心情などが映しだされた文や手紙などに対しても使うことができます。

This poetry mirrored my feelings.
「この詩は私の心情を映し出しました。」

また、正確に映し出されるというニュアンスから「~に酷似している」という意味でも使われ、誰かの行動をそっくりそのままコピーしたり、酷似した製品などにも“mirror”が使われます。

映し出すということよりも、「正確に」、「酷似した」というところを強調しています。

reflect「~を反射する」「~の像を映す」

“reflect”も“mirror”と同様に「~を反射する」や「~を映し出す」という意味があり、日本語の意味としては“mirror”と全く同じ訳になってしまいますが、明確な違いがあります。

“mirror”は元の人や物と映し出される人や物がほぼ同じ状態でないといけませんでしたが、“reflect”は元の人や物が光の反射などによって何かに映し出されていれば使うことができます。

この場合、鏡のように正確に映し出されている訳ではありませんが、テレビ画面に映し出されている状態であるため“reflect”を使うことができます。

例えば何もつけていないテレビ画面に映し出された人や物は光の反射によって画面上に映し出されていますが、テレビ画面が黒であるため色は元の人や物とは異なりますし、画面の素材によっては少しぼやけて映しだされていることもあると思います。

これは“reflect”がラテン語で接頭辞“re”は「後ろへ・反対に」を意味し、“flecto(スペルが違うので注意)”は「曲げる」を意味するので、「反対に曲げる」つまり、「向きを変えて反射する」「屈折して反射する」に由来します。

水たまりに自分が映しだされている状況も水に映し出された姿の色や大きさなどが屈折などによって元とは異なっていても“reflect”で表します。

I was reflected in my television screen.
「私はテレビ画面に映っていました。」
This puddle reflected me holding a pink umbrella.
「この水たまりはピンクの傘を持った私を映し出していました。」

また、“reflect”は「内省する」(自分の考えや行動などを深くかえりみる)という意味でも使われるのですが、これもラテン語由来の原義(元々の意味)「反対に曲げる」から来ています。

このように“mirror”と“reflect”のニュアンスの違いについてご紹介してきましたが簡単にまとめると、“mirror”は姿、形を忠実に映し出している状態で使い、“reflect”は姿、形が少し歪んでいたり色が変わっていても何かに映し出されている状態であれば使うことができます。

つまり“Reflected in the mirror”もOK。

日本語では同じ意味なのでニュアンスを理解するのが少し難しいかと思いますが、上で挙げた例文を参考にしながら実際に会話の中で使用してみてください。