皆さんは学校で「“may”の過去形は“might”です」と習った記憶はありますか。
今日は、その記憶を頭から削除することから始めましょう。
「かもしれない」を表す助動詞“may”と“might”。色々な意味や用法がありますが、ズバリ今日から英会話で使える鉄則がこれです。
may=自信度が高い
might=自信度が低い
皆さんが“may”と“might”を使う時、自信度が高いか、低いか、自分に問いかけてみてください。
私個人のアメリカ留学中に経験した失敗体験をもとに“may”と“might”を練習しましょう。
目次
場面1
今日はハロウィン。
同じ寮に住む友達が、隣町のハロウィンパーティーに連れて行ってくれるといいます。
夜遅くに始まるパーティーだそうで、私は心配になり、パーティーの後に寮に帰れるのか聞きました。
そこで彼女は言いました。
「帰るかもしれないけれど、わからないわ。」
さて、問題です。
私はパーティーの後、無事に寮に帰ることができたでしょうか。
寮には帰れず、パーティー会場で酔っ払った友達を一晩中介抱することになりました。
理由は明解ですね。
“might”は自信度が低い時に使われる助動詞です。
場面2
ドイツ語のテスト勉強で苦戦をしている私。
ドイツ系アメリカ人の友達に、ドイツ語を教えてくれるか頼んでみます。
そこで彼はこう言いました。
「ドイツ語の勉強を手伝ってあげることができるかもしれないよ。」
さて、問題です。
ドイツ系アメリカ人の彼はその後ドイツ語の勉強を手伝ってくれたでしょうか。
彼はドイツ語の勉強を手伝ってくれ、私は単位を無事取ることができました。
これも理由は明解ですね。
“may”の自信度の高さを関西弁で表すなら、「ま、できるんちゃう?」
“might”の自信度の低さを関西弁で表すなら、「まぁ、できたらええねんけどな…」
この鉄則さえ覚えていれば、“may”と“might”を正しく会話で使えますね。
さて、ここからは“may”と“might”をじっくりみてみましょう。
自信度が高い「may」
助動詞“may”を辞書で調べると、「~かもしれない」以外にも「~してもよろしい」や「~でありますように」などの意味が出てきます。
「~かもしれない」推量のmay (自信度が高い!)
「彼はあなたを知っているかもしれない。」
My boyfriend may be late for the class.
「私の彼はその授業に遅れるかもしれない。」
Maybe I locked the door.
「たぶん私はそのドアを施錠した。」
文の中で“may”を使う時には、「may+動詞の原形」 です。
mayの鉄則
また、“maybe”という単語も「たぶん」という意味でよく使われますね。
否定形で表したい時は、どうでしょうか。
「私はあなたを知らないかもしれない。」
My boyfriend may not be late for the class.
「私の彼はその授業に遅れないかもしれない。」
“may”の後ろに“not”をつけるだけですね。
「may」過去・未来の推量
では、“may”でを表してみましょう。
mayを使った過去・未来の推量
「may」過去の推量
「彼はあなたを知っていたかもしれない。」
My boyfriend may have been late for the class.
「私の彼はその授業に遅れたかもしれない。」
I may have not met you before.
「私は以前あなたに出会わなかったかもしれない。」
「may」未来の推量
「あなたが帰宅した時、私は私の宿題をし終えているかもしれない。」
When you come home, he may have not been here anymore.
「あなたが帰宅したとき、彼はもうここにはいないかもしれない。」
過去の推量も未来の推量も、「may+have+過去分詞」 の形で表しますが、未来の推量にはいつも「あなたが帰宅した時」など、未来に起こる出来事が文中に見受けられます。
「~してもよろしい」許可のmay
「テストを終えたらこの教室を退室してもよろしい。」
You may not use your phone in the office.
「このオフィスでは携帯電話を使ってはならない。」
May I use your bathroom?
「お手洗いをお借りしてもいいですか。」
許可を表す“may”は、上司が部下に許可を出すようなイメージを持つ助動詞です。
否定形“may not”は「~してはならない」を意味します。
“May I~”という疑問文の形で使うと、少し謙ったようなニュアンスで丁寧に依頼をしているように聞こえます。
「~でありますように」願望のmay
「全ての子供たちが平和の中で暮らせますように。」
May this year be the best one ever.
「今年が一番良い年でありますように。」
このように願望の“may”は、「may+主語+動詞の原形」 という形で表されます。
自分の力では叶えられない願望を表す時に使われることが多いです。
自信度が低い「might」
次は“might”です。
“might”は“may”の過去形ではない!と書きましたが、直接話法から間接話法に書き換える時、“might”は“may”の過去形として使われます。
「彼らは私に言いました、『あなたにはこのワークは簡単すぎるかもしれない。』」
They told me that I might find this workbook too easy.
「彼らは私にはこのワークは簡単すぎるかもしれないと言いました。」
「~かもしれない」推量のmight(自信度が低い)
「私は今晩晩御飯を作るかもしれない。」
They might come to my birthday party.
「彼らは私の誕生日パーティーに来るかもしれない。」
否定形で表してみましょう。
「私は今晩晩御飯を作らないかもしれない。」
They might not come to my birthday party.
「彼らは私の誕生日パーティーに来ないかもしれない。」
では、mightで過去・未来の推量を表してみましょう。
mightを使った過去・未来の推量
「might」過去の推量
「彼は昨晩彼の車に何か誤ったことをしたかもしれない。」
I might have not seen you in the class.
「私はその授業であなたを見なかったかもしれない。」
「might」未来の推量
「私が家に着く時までに彼女はシャワーを浴び終えているかもしれない。」
I might not have finished cleaning the dishes by the time you get home.
「あなたが家に着く時までに私は皿を洗い終えていないかもしれない。」
“might”の過去・未来の推量も、“may”と同じよう「にmight+have+過去分詞 」の形で表します。
未来の推量では“by the time I get home”という未来を表す表現が文中にありますね。
時制に注意して、過去・未来の推量をマスターしましょう。
“may”と“might”の違いは理解できたでしょうか。
英語を話せる人は皆、こんなにややこしい“may”と“might”の違いを理解して使っているのか!と思っているそこのあなた。
大丈夫です。
アメリカの日常会話では、(疑問形を除き)“might”が使われる確率が断然高いように感じます。
英会話で“may”と“might”どちらを使おうかと迷った時には“might”を使いましょう!