“I wish”と“I hope”はどちらも「望む」や「願う」といった願望を意味するので使い方は非常に似ていますが、少しニュアンスが違います。
後々分かりやすく解説しますが、まず大前提のイメージとして両者の代表的なニュアンスをここで覚えておいてください。
wish ⇒ 可能性が低い、もしくは不可能な願望
hope ⇒ 可能性のある願望
この2つの大きなニュアンスの違いを頭に入れておけば、かなり理解しやすいと思います。
目次
“I wish”と“I hope”の基本形
I wish基本形
I wish +(that) 主語 +had + 動詞の過去分詞
I wish +(that) 主語 + could(would) + 動詞の原形
I hope基本形
I hope +(that) 主語 + will + 動詞の原形
“I wish”も“I hope”も基本形をよく見ていただくと主語+動詞という形が2つ続いているのですが、英文では、主語+動詞という形は1文の中に1つしか存在できません。
ですので、“that”という接続詞を使って2つの英文を接続しています。
これを「that節」と呼んでいて“that”は従属接続詞という接続詞です。
しかも面倒なのはこの“that”は省略可能なんですね。
省略するから面倒なわけですが、ネイティブはここに“that”が入っていることを分かった上で省略しているので、私たちも同じような思考をしておかねばなりません。
これを例文にあてはめてみてみます。
I wish (that) you had passed your exam.
「試験に合格したらよかったのに。」
I hope (that) you pass your exam.
「試験に合格するといいですね。」
“that”が省略されていてもネイティブの頭の中はこれら2つの例文のようになっています。
ただ単に2つの動作を言い表すだけでいいのであれば、不定詞や動名詞で言い表せますが、「私はあなたが~することを望んでいる」のような「I(私は)」「You(あなたが)」と主語が2つ出てくるときに“that”を使って2つの英文を接続しないと言い表せないときに使う英文です。
I hope (that) you pass your exam.
「テストに合格するといいですね。」
主語+動詞(that)主語+動詞
青文字の部分が主節、赤文字の部分が従属節と呼ばれていて主節に来る動詞(that節を目的語に取る動詞)は日本語で「思う」「言う」と訳せる動詞が来ることが多いので比較的分かりやすいと思います。
that節を取る動詞の代表例(緑が思う系の動詞、オレンジが言う系の動詞)
wish,think,hope,feel,decide,find,forget,remenber,understand,say,show,mean,promise,write,suggest,complainなど
時制が分かれば簡単に使いこなせる
「Wish」も「Hope」もどちらも「~だったらいいのにな」という使い方をするのですが、例文をみていただくと分かる通り、「Wish」は既に試験に落ちていて「Hope」はこれから試験を受けるというニュアンスになっています。
ただ単純に「Wish」は実現不可能な願望、「Hope」は実現できる願望と覚えるのではなく、そのときにどのような状況か?例文の場合は試験前か試験後かという時制も話の判断材料にします。
時制に関しては「Wish」は未来、現在、過去、「Hope」は現在と未来のことを言い表します。
また、「Wish」に関しては実現不可能なことを願うので、現実はそうじゃないんだけど「仮に……だったらいいのになあ」という意味で使うので仮定法とか呼ばれたりしますが「hope」は実現する可能性があるので仮定法とは呼ばれません。
hope ⇒ 現在と未来の話ができる
ただし、wish(仮定法)に関しては時制の表しかたは実際の時制とズレていますので下記のように覚えましょう。
I wish の後には過去形、過去進行形、過去完了の文がくる
“I wish ”は実現不可能なことを「仮に~だったらいいのにな」ということができるフレーズなので、未来、現在、過去のことを何でも言い表すことができますが、“I wish ”の後ろには過去形、過去進行形、過去完了形が続きます。
未来のことや現在のことを言う場合は過去形、過去進行形で、過去のことを言う場合は過去完了形になります。
現在~未来のことを表現する場合
現在wish
I wish + could(would)+ 動詞の原形
“I was”?“were”?どっちが正解?
まずは教科書に載っているような例文からみていきます。
仮定法過去という名前で勉強したはずです。
I wish I were there.
「そこにいれたらいいのに。」
I wish I were rich.
「私がお金持ちならいいのに。」
be動詞が過去形で、しかも“I was”ではなく“were”になっています。
これが仮定法の特徴とも言える用法なので、学校では「そう覚えろ」と言われて理由は深く追求しなかったと思うのですが、仮定法の場合“I was”ではなく“I were”というのがユニークでとても覚えやすく、仮定法を見分けるサインにもなっています。
ただ、ネイティブは口語レベルでは“I were”ではなく“I was”を普通に使いますので、文法上間違っているとしても実際には“I was”でも問題ありません。“was”を使う方がむしろ多いぐらいです。
I wish I was there.
「そこにいれたらいいのに。」
I wish I was rich.
「私がお金持ちならいいのに。」
could+動詞の原形がくる形
I wish I could go with you.
「あなたと行けたらいいのに。」
I wish you could come.
「あなたが来てくれたらいいのに。」
この2つの例文は「~できたらいいのに」という時に使うフレーズです。
「できる」を表す助動詞「can」の過去形「could」を使っていますが、“could”を“can”の過去形と覚えてしまうと「could」が「できた」と普通の過去形で訳すようなことになってしまい違和感が残るので、覚え方としては「“could”が出てきたら仮定法」と無条件で覚えてしまうのが一番です。
※「できた」という単純過去を表す場合“could”で表現することはできません。「できた」と言いたければ“was able to”を使います。
ちなみに“would”も全く同じ考え方です。
willの過去形ではなく、「“would”が出てきたら仮定法」を単純に思い浮かべればOKです。
could とwould どっちをつかう?
I wish I could.
これは「そうできたらよかったのですが」と断りを入れるときに使える仮定法のフレーズです。
これを“I wish I would.”にしたらどうなるでしょうか?
“would”には「もしよければ」というニュアンスが入っているので、“could”よりも丁寧になると覚えている人が多いと思いますが、この場合丁寧になるのではなく、“I would”のように自分に使う場合は「そうできたらいいのですが(本当はできるんだけど)」という感じになります。
実際はできるのに「気が乗らない」みたいな感じなので感じ悪いですよね。
wouldはして欲しいときに使う
ですので、“would”は自分ではなく、“You(相手)”に対して使うことが多いです。
I wish you would give me another chance.
「私にもう一度チャンスをくれればいいのにな。」
I wish you would love me.
「あなたが私を愛してくれればいいんだけどなあ。」
お天気の場合も
I wish it would stop raining.
「雨が止めばいいのに。」
進行形の場合
I wish it weren’t raining right now.
「雨が降ってなければよかったのに。」
進行形の場合は過去形を過去進行形にするだけです。
be動詞は“wasn’t”でも“weren’t”でもOKです。
過去のことを表現する場合
過去wish
I wish +could have+過去分詞
過去において実現できなかった願望を表す場合は過去完了形を使います。
I wish I had bought bitcoin all those years ago.
「何年も前にビットコインを買っておけばよかったなあ。」
I wish I could have been there.
「そこにいれたらよかったのに。」
「~できたら」のときには“could”+have+過去分詞を使えばOKです。
比較級で過去の自分との比較が多い
I wish I had studied harder.
「もっと勉強しとけばよかったなあ。」
I wish I had left the house earlier.
「もっと早く家を出れば良かったなあ。」
仮定法で過去のことを表現する場合は過去の自分と比較して「~しておけばよかったなあ」ということが多いので、比較級とセットで使うことが多くなります。
I wish I could have stayed there longer.
「そこにもっと長くいられたらよかったのに」
I wish I had bought bitcoin earlier.
「もっと早くビットコインを買っておけばよかったなあ。」
「そこにいれたらいいのに。」
I wish I were rich.
「私がお金持ちならいいのに。」
I wish I could go with you.
「あなたと行けたらいいのに。」
I wish you could come.
「あなたが来てくれたらいいのに。」
I wish it would stop raining.
「雨が止めばいいのに。」
I wish I could.
「そうできたらよかったのですが」
I wish I would.
「そうできたらよかったんだけどあまりやる気はないかな」
I wish you would give me another chance.
「私にもう一度チャンスをくれればいいのにな。」
I wish you would love me.
「あなたが私を愛してくれればいいんだけどなあ。」
I wish you had passed your exam.
「テストに合格したらよかったのに。」
I wish I had bought bitcoin all them years ago.
「何年も前にビットコインを買っておけばよかったなあ。」
I wish I could have been there.
「そこにいれたらよかったのに。」
I wish I had studied harder.
「もっと勉強しとけばよかったなあ。」
I wish I had left the house earlier.
「もっと早く家を出れば良かったなあ。」
I wish I could have stayed there longer.
「そこにもっと長くいられたらよかったのに」
I wish I had bought bitcoin earlier.
「もっと早くビットコインを買っておけばよかったなあ。」
I hope の後には現在形または未来形の文がくる
“I hope ”は、実現できる可能性のある場合に使われます。
“Hope ”には「期待」のニュアンスがありますので、実現確実ではなくてもできそうであればOKです。
“I hope ”の後ろには未来形または現在形が続きますが、今この瞬間を含めた時制から未来のことを言い表すので、現在形を使っても未来形を使っても大きな違いはありません。
仮に現在形を使って話したとしても「“hope ”は期待のニュアンスが含まれているんだから今から未来に向かっての話でしょ」ということが当たり前のようになっているんでしょうね。
未来のことを表現する場合
未来hope
I hope you will come again.
「また来てくださいね。」
I hope it will be sunny tomorrow.
「明日晴れるといいですね。」
I hope you will be happy.
「あなたが幸せになるといいな」
現在のことを表現する場合
現在hope
I hope you can come.
「君が来れるといいなあ」
I hope you pass the exam.
「試験に合格するといいですね。」
I hope you have a great time.
「楽しい時間をお過ごしください。」
「君が来れるといいなあ」
I hope you pass the exam.
「試験に合格するといいですね。」
I hope you have a great time.
「楽しい時間をお過ごしください。」
I hope you will come again.
「また来てくださいね。」
I hope it will be sunny tomorrow.
「明日晴れるといいですね。」
I hope you will be happy.
「あなたが幸せになるといいな」