英語で「聞く」を意味する“Hear”と“Listen”ですが、同じ「聞く」でもニュアンスが異なるのでネイティブは場面ごとにしっかりと使い分けています。
その違いは明確で、“Hear”は自然と耳に入ってくるような無意識の中での「聞く」として使われ、“Listen”は耳を傾けるというような意識をして「聴く」場合に使われます。
Hear:聞こえてくる
Listen:意識して聴く
Hear「無意識に聞く」「自然に聞こえてくる」
“Hear”の「聞く」は「無意識の中で聞こえてくる」「自然に聞こえる」、意識をしなくても勝手に耳に入ってくるというニュアンスがあります。
ですので、何かの音や声を自分から聞きにいくのではなく、その場にいたら自然と聞こえてくる状況で使います。
例えばカフェでくつろいでいる時に好きな曲が店内から流れてくるのが聞こえてくるシチュエーションや、電車に乗っている時に赤ちゃんの泣き声が聞こえてくるシチュエーションでは“Hear”が使われます。
「私はカフェで好きな曲を聞きました。」
I heard the baby crying on the train.
「私は電車の中で赤ちゃんが泣いているのを聞きました。」
Listen「集中して聴く」「耳を傾ける」
“Listen”も“Hear”と同様に「聞く」という意味がありますが、日本語で言うところの「聴く」にあたります。
聴く:注意深く耳を傾けて「聴く」
聞く:広く一般的に使う「聞く」
“Listen”は「意識して聴く」「注意深く聴く」といったニュアンスがあるので、“Listen”を使う時には自然と聞こえてくるのではなく、自分から流れている音や声に耳を傾けて聞くようにする必要があります。
例えばショッピングモールで流れている館内アナウンスを聞く時や、式典で社長の挨拶を聞く時にはアナウンスや話を意識して聞くシチュエーションになるので“Listen”を使います。
「私はショッピングモールで館内アナウンスを聞きました。」
I listened to greetings from the company president at the 50th anniversary of foundation of our company.
「私は創業50周年記念式典で社長の挨拶を聞きました。」
このように“Hear”と“Listen”の違いを見てきましたが、大きな違いとしては無意識のうちに音や声を聞いているのか、意識をして聴いているのかという点です。
気がついたら聞こえていたという状況の場合には“Hear”、自ら耳を傾けて聴くようにして聞いた状況の時には“Listen”を使うようにしてみてください。
よく使う単語だからこそ、ニュアンスをしっかり理解し相手に自分の状況を正確に伝えることが大切です。