英語で「議論する」という意味を持つ単語は“discuss”“argue”そして“debate”の3つがよく使われますが、3つとも使うシチュエーションが全く異なります。

しっかりと違いを整理し適切な場面で使えるようにしておきましょう。

discuss「議論する」

“discuss”のイメージは中立的に「話し合う」や「議論する」という意味になります。

一般的に「議論」をするという時に使う単語としては、この“discuss”が一番イメージに合うと思います。

学校や会社など何人かである議題について話し合いをする時など、誰かの意見に対して責め立てたり、自分の考えを一方的に出して押し付けるのではなくそれぞれが意見を出し合い互いに尊重しながら友好的に話し合っていくといったニュアンスです。

最終的に何かしらの結論を出すための話し合いと考えても良いと思います。

日本語でも話し合いをする時に「ディスカッション」という言い方をすることがあるので、なんとなくどのようなニュアンスなのか想像できるかもしれません。

ちなみに「discussion」は“discuss”の名詞の形です。

We discussed our company rules at today’s meeting.
「私たちは今日の会議で会社の規則について話し合いました。」
I discussed the bullying problem with my friends.
「私は友人たちといじめ問題について話し合いました。」

また「~について」と聞くと後ろに“about”をつけたくなりますが“discuss”は他動詞なので前置詞である“about”を置くことはできません。

「Aについて話し合う」は“discuss about A”ではなく“discuss A”が正解です。

argue「異議を唱える」「論争する」


“argue”は“discuss”のような友好的な話し合いではなく自分の意見を一方的に主張して言い争っているニュアンスになります。

相手の意見を聞きながら何かしらの答えを見つけていくというよりは、異議を唱え自分の意見を押し通すイメージなので日本語では「議論」よりも、「論争する(言い争う)」という言葉が一番近いかもしれません。

日常生活の中で“argue”を使って表されるイメージしやすい例としては親が子供に対して「口答えするな!」と怒っている時が挙げられます。

他にもカップルの喧嘩でどちらかが一方的に自分の意見を言い通そうとしているシチュエーションも“argue”を使って表すことができます。

Don’t argue with me!
「口答えするな!」
I argue with my boyfriend all the time.
「私はいつも彼氏と言い争っています。」

debate「討論する」


“debate”のコアイメージは「討論する」で、ある問題や議題に対して賛成派と反対派の2つのグループに分かれて話し合いをする時に使います。

日本語でも「ディベート」と言うことがあるので一度は耳にしたことがある単語かもしれません。

“debate”は一方的にただ自分の意見を押し通すのではなく、賛成または反対のどちらかの立場に立って相手の意見も聞きながら自分の意見を論理的にきちんと説明していくといったニュアンスです。

例えば学校の授業の一環である問題に対してクラスの中で賛成派と反対派に分かれて話し合いをする時や学校や会社だけでなく政治の世界でも二手に分かれて討論する時には“debate”を使います。

We debated whether we should go to University or not at school.
「私たちは学校で大学に行くべきかそうでないかを討論しました。」
These politicians are debating about Japanese economy on TV.
「政治家たちがテレビで日本の経済について討論しています。」

このように“discuss”“argue”“debate”の3つの単語のニュアンスをそれぞれご紹介してきましたが、簡単にまとめると“discuss”は何人かで友好的に話し合いをすること、“argue”は一方的に自分の意見をいい通すこと、そして“debate”は二手に分かれてお互いの意見を聞きながら話し合いをすることとなります。

日本語で訳すと同じ「議論する」や「話し合いをする」と言う意味になりますが、全て使うシチュエーションやニュアンスが異なるのでその時に合う単語選んで使ってみてください。