“another”と“other”、どちらもなんとなくの意味は掴めますが、正確に使い分けるのは難しくないですか?

それもそのはずです。

日本語にはない概念であり、どちらも「別の」という訳で済んでしまうからです。

まずは、それぞれの意味を確認し、違いを明確にしていきましょう。

another:「もう一つの、もう一人の」
other:「別の、ほかの」

another「もう一つの、もう一人の」

”Another”の意味は「もう一つの、もう一人の」「別の~、ほかの~」です。

“another”は後ろに単数形を持ってきます。

数えられないものについて言いたい場合は、代わりに”more”を使います。

「もう一つの、もう一人の」という意味ですが、そのニュアンスは今までの「物」、「人」に加えてという感じになります。

また、相手が何について話しているか明らかな場合は、名詞を”one”で言い換えることもできます。

例文で使い方を見てみましょう。

He bought another bicycle last week.
「彼は先週もう一台自転車を買いました。」
This picture is not perfect. Can I take another one?
「失敗してしまった。もう一枚写真撮っていい?」
I couldn’t find my favorite color. Let’s try another shop.
「お気に入りの色が見つからないの。ほかのお店にも行ってみましょう。」

数えられないものは“another”の代わりに「more」を使う

Can I have some more water please?
「お水をおかわりしてもいいですか?」

すでにあるものにプラスして「もう一つ、もう一回」などという場合に使うことが分かります。

other「別の、ほかの」

次に、”other”の使い方を見てみます。

“other”は「別の、ほかの」という意味になり、後ろに複数の名詞をつけることができます。

例文を見てみましょう。

Are there any other skirts on sale?
「ほかにセールのスカートはありますか?」
Do you have any other recommendations?
「ほかのおすすめのメニューはありますか?」

「another」と「other」の見分け方

ここまでで、”another”と”other”の違いが分かったかと思います。

“another”はもともと、”an”と”other”が組み合わさってできています。

そのため、後ろには単数名詞がきます。

“other”と意味は同じなので、どっち単数でどっちが複数だったかな?と迷った場合は、anotherを”an”と”other”に分けて考えてみてください。

the other「残り一つの(単数)」、「残りのすべて(複数)」

最後に、”other”のもう一つの使い方を見ておきましょう。

“other”の前に”the”をつけて、”the other”とする使い方があります。

意味は、「残り一つの、残りのすべて」となります。

意味だけみると、単数にも複数にもなり得ることがわかりますね。

後ろに単数名詞をつければ、「残り一つの」という意味になり、後ろに複数名詞をつけると「残りのすべて」という意味になります。

ここで、少しでも覚えることを減らすためには、”the other”の意味は「残りのすべて」と覚えておけばOKです。

例えば、2冊の本がテーブルに置いてありそれについて話をしているとします。

There are two books here; one is good, but the other one is more favorite.
「この2冊がお気に入りなんだけど、こっちのほうがより好きなんだ。」

一方で、5冊の本について話しているとすると、

The five books; two of them which I bought, and the other ones are from my mother.
「この中でこの2冊は自分で買って、残りのものはお母さんに買ってもらったんだ。」

このように、簡単な例文だとイメージしやすくなりますね。

自分で表や図を描いてみるとより、覚えやすくなるのでおすすめです。