主格(~は) | 所有格(~の) | 目的格(~に、を) | |
---|---|---|---|
私 | I | my | me |
あなた | you | your | you |
彼 | he | his | him |
彼女 | she | her | her |
誰 | who | whose | whom |
皆さんは、上の図を見たことはありますか。
そう、中学校で習った人称代名詞一覧表ですね!
今回はこの表に「誰」を一段加えて学習しましょう。
目次
「who」と「whom」の違い
「誰」を意味する“who”と“whom”、それぞれどんな時に使うのか見てみましょう。
主格のwho
“who”は“I”や“you”などと同じ主格の働きをします。
「~は」など、主語にあたる部分がわからない時、“who”を使います。
例文を見てみましょう。
私はジャックです。
↓
Who is Jack?
ジャックは誰ですか。
彼は昨日そのレストランに行きました。
↓
Who went to the restaurant yesterday?
誰が昨日そのレストランに行きましたか。
このように、“I” や“He”などの主格と同じ位置に“who”を置きます。
とてもシンプルで簡単ですね!
目的格のwhom
“whom”は“me”や“him”と同じ目的格の働きをします。
「~に、を」など、目的語にあたる部分がわからない時、“whom”を使います。
例文を見てみましょう。
簡単3ステップです!
彼は彼らをとても好きです。
↓
He likes whom very much
(whomを前に出します。)
↓
Whom does he like very much?
彼は誰をとても好きですか。
彼らは彼をその駅で見ました。
↓
They saw whom at the station
(whomを前に出します。)
↓
Whom did they see at the station?
彼らは誰をその駅で見ましたか。
“whom”を使って文章を作る時には、“whom”を前に出すことを忘れないようにしましょう。
目的格の“him”や“them”と同じ位置に“whom”を置き、その“whom”を前に引っ張ってくると完成です。
簡単ですね!次は、空欄穴埋め問題にチャレンジしてみましょう。
空欄穴埋め問題
☆あなたは誰があなたの数学の先生か知っていますか。
☆She is my math teacher.
☆彼は誰にプロポーズをしましたか。
☆He proposed her.
☆あなたは誰を愛していますか。
☆I love you.
このような穴埋め問題を解く時のポイントは、2つあります。
☆日本語に訳してみること
☆質問に対応する仮の答えを考えてみること
(1)の空欄には、主格の働きをする「誰が」が入り、主格のsheを使って答えることができるので、whoが正解です。
(2)は目的格の「誰に」が入り、目的格のherを使って答えることができるのでwhomが正解です。
(3)も目的格の「誰を」が入り、目的格のyouを使って答えることができるので、whomが正解です。
関係代名詞「who」と「whom」
“who”と“whom”は関係代名詞という役割ももっています。
関係代名詞は、まさに接着剤。
2つの文章をくっつけて1つの文章にしてくれます。
[who] 主格の関係代名詞
「その女の子の赤ちゃんを見て」
2. She is sleeping in the stroller.
「彼女はベビーカーで寝ています。」
この2つの文を関係代名詞という接着剤“who”を使って1つの文にしていきましょう。
【ステップ1】意味の被る部分を見つけよう!
最初のステップでは、それぞれの文で同じ意味を持った部分があるか見てみます。
1と2の文では「女の子の赤ちゃん“」the baby girl”と「彼女は」“she”が同じ人を指していることがわかります。
【ステップ2】接着剤でくっつけよう
「女の子の赤ちゃん」“the baby girl”と「彼女は」“she”が同じ人なので、“she”に接着剤を塗って2つを1つの文にしてみましょう。
「ベビーカーで寝ているその女の子の赤ちゃんを見て.」
主格の“she” の上から接着剤whoを塗ったことが一目瞭然ですね。
このように接着剤“who”は人と人をくっつける時だけに使われます。
[whom] 目的格の関係代名詞
「私は2人兄弟がいます。」
2. I need to take care of them.
「私は彼らの世話をしなければなりません。」
さて、こちらは接着剤whomを使って2つを1つの文にしていきましょう。
【ステップ1】意味の被る部分を見つけよう!
接着剤“whom”の場合も使用方法は同じです。
まずは、意味の重なる部分を探します。1と2の文では「2人兄弟」“two siblings”と「彼らの」“them”が同じ人たちを指していますね。
【ステップ2】接着剤でくっつけよう
「2人兄弟」two siblingsと「彼らの」themが重複しているので、themに接着剤を塗って2つを1つの文章にしましょう。
「私はお世話をしなければならない2人の兄弟がいます。」
目的格の“them”の上に接着剤を塗ったこと、はっきりわかりますね!
接着剤“whom”も人と人をくっつける時にだけ使われます。
〈制限用法と非制限用法〉
2. He has two daughters, who are learning music at college.
上の2つの文章は全く同じに見えますが、実は意味が違うのです。
〔コンマなし・制限用法〕
1の文は“daughter”の後ろにコンマがないので、制限用法と呼ばれます。
日本語訳は皆さんの想像通り、「彼には大学で音楽を学ぶ娘が2人います。」となります。
つまり、彼にはこの文中にある、音楽を学んでいる2人の娘、以外にも子供がいるかもしれません。
〔コンマあり・非制限用法〕
2の文は“daughter”の後ろにコンマがあり、非制限用法と呼ばれます。
日本語に訳す時には、前から順に訳し、「彼には娘が2人いて、大学で音楽を学んでいます。」となります。
つまり、彼の子供は、音楽を学ぶ娘2人だけだということですね。
今まで説明してきた“w”hoと“whom”ですが、私がアメリカに移住してから数年、1度たりとも日常会話の中で“whom”を聞いたことがありません。
特にアメリカではネイティブスピーカーは会話の中で“whom”を使うことはほぼなく、その代わりに“who”を使ったり、省略してしまったりします。
ですが、日本で受験勉強をしていた時には“whom”に悩まされることが多くありました。
是非皆さんも“who”と“whom”の違いをマスターして使い分けてみてください。